コンクラベ
コンクラベ。
ヴァチカンで新しい法王を決める選挙(あれはコンクラーヴェConclaveか)のことではない。現在、我が家の軒先で繰り広げられている闘い。
毎年、春から夏にかけてハチが巣作りのためにやってくる。女王バチは単独で巣を作り始めてやがて繁殖活動をおこなっていく。ハチとしてもなるべく安全な場所に巣を作りたい。単独でいる間は作りかけの巣を外してやれば、「ここは安全じゃない」とあきらめて他の場所に移動してくれる。だから、早い時期に巣を見つけて外すのが肝心なのだ。
一週間ほど前、何気なく軒先を見るとなんと直径20cmほどの巣を発見した。こうなるとかなり働きバチも多くなっているから、巣を取り除くのも大変になる。
防護服でもあれば完全装備で巣全体を大きなビニール袋に入れて取り除くのが一般的なのだが、さすがにそんな装備は持ち合わせていない。結局、長い木の棒の先に薄い金属板を付けてスクレーパーのようにし、それを軒と巣の間に入れて巣を落とす作戦に出た。もちろん、そのあとハチが攻撃してくることも考え、一番近くの掃出し窓から巣を落とし、棒はそのまま放置してすぐさま窓を閉じればハチに襲われることもないだろう。
一安心と思ったのもつかの間、ハチたちは巣の跡に群がり修復作業に入っている。すでに働きバチがたくさんいるので、思いのほか修復は進んでいく。一日したら高さにして数センチ分が復旧されていた。
こうなるとこちらとしても引けない。翌朝、再び同じようにして修復した部分を除去。もちろんハチも必死だ。またまた修復に取り掛かっている。
数日間、こんな攻防が繰り返されている。ハチとの根競べ。